奥嬉野茶

茶の形状は、丸く玉緑茶(グリ茶)特有の色艶があり、香気も強く感じ口中では爽やかで味わい深いお茶です。　臨済宗の開祖、栄西禅師が佐賀県東脊振の山腹に種を播いたのが始まりとされる日本のお茶栽培。嬉野では17世紀、佐賀藩肥前白石郷の吉村新兵衛が嬉野町不動山の山林を拓いて振興に努め、一大産地の礎を築いたといわれます。嬉野はなだらかな山間部で昼夜の気温差があり、新芽の時期に朝霧に包まれる環境がお茶の栽培に適していて、うれしの茶は独特の丸みを帯びた形や強い香り、旨みが特徴となっています。そんなうれしの茶の中で主流を成す製法が「蒸し製玉緑茶」。茶葉を高温で蒸した後、よく揉んで勾玉のような丸い形にし、乾燥させて作ります。ほどよい甘みとふくいくとした渋み、深く豊かな香りはまさに「うれしの茶の王道」。少し冷ましたお湯を注いでじっくりと抽出し、ゆったりとした気分の中で味わいたいお茶です。